電子処方箋・メリットを享受するには程遠い
いよいよ始まった電子処方箋
いよいよ始まった電子処方箋。期待の高さが伺われる「HPKIカードを入手した」という声が多く聞かれます。1/29現在の資料では早くも19件の医科診療所、病院が参加されているようです。今後さらなる導入施設の増加が見込まれます?
メリットってなんでしたっけ
電子処方箋のメリットとして、直近に処方・調剤された医療情報が共有されるとありますが、その情報のもとは一体どこから来るのでしょう。少なくとも翌月に提出されるレセプトに基づくデータはほぼ確実に蓄積されてはいますが、月遅れですし、最長40日くらいの遅れが発生します。(レセプトのデータが電子処方箋のデータベースと一致しているのかも少しあや。。?)もし遅れがあるとしたら、あるいはレセプトデータが生かされないとしたらメリットとして挙げられている重複投与の回避や、相互作用のチェックはままならないのではないかと心配になってしまいます。また、基本処方箋を発行する医療機関が対象ですが、院内処方をしている医療機関はどうなんでしょう。どちらかというと「参照できるようになる」という表現で、情報を発信する側にはなっていないように思います。
今一度あるべき姿を考えて仕組みの構築を
データの一貫性を聞くにつれ、本当にそれがあるべき姿なのかどうか気になって仕方がありません。院内処方のデータがリアルタイムに反映される仕組みがない、参加していない施設の処方データもリアルタイムに反映されなさそう。そのような中、本当の電子処方箋の目的は一体なんなのかをはっきり示していただくべきではないでしょうか。極論としては、すべての医療機関の、処方したお薬、注射など薬剤がリアルタイムに別の医療機関から参照できない限り抜けの多い仕組みになってしまうのではないでしょうか。そのためには、すべての医療機関で電子化されたカルテ情報を、常にアップロードする仕組みがあってしかるべきなのではないかと感じます。